October 29, 2010

仙人の住む山

「自由に空を飛び 幸せを歌う鳥のように」お父さん、八ヶ岳に来ました。
今、料理修行で、イノシシと戦っています。

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下から突き上げる牙を、両手でずしんと押さえるも、
巨大なイノシシに吹き飛ばされて、地面に叩きつけられる。
くっ、こうなったら最後の必殺技を出すしかないか・・

(物語は、フィクションです。実在の人物は関係在りません)


改めまして、八ヶ岳に来ました。
甲斐大泉の知る人ぞ知る山梨の穴場スポット「仙人小屋」。

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かなりの穴場過ぎて、知らない人が多いのが難点だけど。

ちまたには「自然食」と云うジャンルがあるが、
この店のごはんは、究極の「自然食」と云える思う。
文字通り「自然」を食べるのだ。

仙人を名乗るご主人は、山師を受け継ぐ「山」のエキスパート。

店で出す食材。山菜、天然のきのこ、川魚から熊に至るまで、
そのほとんどを山から調達するの。
お店には「熊とれました」の張り紙。
ある意味、異世界。
他に類をみないコアなお店と云えます。

一部のマニアックな常連客が、巡礼のように今日も山を登る。


素材は、厳選された「山のもの」。

春は山菜。夏は魚を釣り、秋はきのこ。
そして冬はなんかいろいろ熊とか、鹿とか。
ご主人、槍を片手に山を登るらしい。

メニューは色々あって、今はちょうどきのこの時期。

「でも、今年は乾燥していて、あまりとれねぇのよ」

温暖化の影響でしょうか。
メニューにあった『きのこ天丼 1500円』に惹かれて、注文。
季節限定『きのこ汁』も美味しそうだなぁ。

追加、追加っと♪

「おう、お待たせ」

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『きのこ天丼』

ごはんの上に、山盛りのきのこ丸ごと素揚げの軍勢。
そして、入りきらなかったきのこの天ぷら達が、別皿でお供つかまつる。
とどめを刺すのは、山のきのこが主成分80%を占める、「汁もの」。

テーブルの上に繰り広げられるきのこ三昧。
いつきても思うのだが、ボリュームがおかしい。

いや、仙人、きのこ不作って嘘でしょ。


ちなみに、この日は全部違うきのこ。

八ヶ岳には、2000種以上のきのこがあって、中には名前のない新種もゴロゴロ。
うち、見分けられるのは800種。食べられるのが350種。

(図鑑と照らし合わせて「天丼」を食べる、マニアなお客もいる)

山のきのこをお店で出すのは、大変なんです。
毒きのこって、意外と危険度高いんですね。

仙人の確かな鑑定眼だからこそ、この『きのこ三昧』なの。
そして「貴重な山の幸をてんこもり」という、お客様へのサプライズあるサービス。
決して、ぶれないその独自のスタイル。

心から尊敬する料理人の一人です。


山のことを知り尽くし、山を敬い、
山を守り、山の恵みで生きる。
この美しい八ヶ岳のように、厳しくも、優しい生き方。

僕も、いつか彼のように、自然の中で生きてみたいと思うのです。




あ、冒頭で僕が戦ってたイノシシ。
この店のマスコットキャラクター「桃太郎」です。

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うりぼう(イノシシの子供の呼び名)時代の桃太郎。
ちょっと前まで、こんなに可愛かったのに。

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今では、堂々たるお尻。どーん。
たぶん、戦ったら負けるだろう。

「ああ、あいつは喰えねぇな。
 なんか情が移っちまってよ。」

と、仙人。
専用の小屋に、パンダが遊ぶような遊具のタイヤがくくりつけてあった。
末永く、幸せに暮らして欲しい。



【関連する記事】

マクロビパパの奮闘記より「仙人のきのこ」

【仙人小屋】

電話  090-8812-9958
住所  山梨県北杜市大泉町西井出6924-2
定休日 4~10月 毎週木曜日 
    11月・3月 毎週水・木曜日 
    12~2月 毎週火・水・木曜日
HP  http://www.oizumi.ne.jp/~sennin/

山梨に来たら、行くべし。


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この記事へのコメント

1. Posted by 。   October 29, 2010 08:11
ほっほー、これが、エリュマントスの小屋。

誰が一番悪乗りしてるんでしょ?笑
2. Posted by papa   October 29, 2010 08:54
>誰が一番悪乗り

大賞には、お二人ノミネートされています。
甲乙、付けがたいですね。

ちなみに、桃太郎は人間大好きです。
僕が近づくだけで、がばっと起き出してきて、
「ごはん、ごはん〜」っておねだりします。
3. Posted by goodtime-masuho   October 29, 2010 09:48
いやぁ~エリュマントスの小屋は
八ヶ岳の麓にあったんですね~。

しかもそのイノシシの名前が「桃太郎」だなんて!
アリストテレスとかピタゴラスとか(これもちょっと違うか)
じゃなくて。

やはり、一度は戦って勝利を勝ち取ってから
仲良くなったんでしょうね。

昔の青春ドラマのように。

でも、二人並んで走る砂浜がないのが山梨の悲しいところですね。
4. Posted by papa   October 29, 2010 10:05
>いやぁ~エリュマントスの小屋は
 八ヶ岳の麓にあったんですね~。

さりげない会話から、東の横綱の登場。

>やはり、一度は戦って勝利を勝ち取ってから
 仲良くなったんでしょうね。

昔のジャンプの漫画のようにですね。

>二人並んで走る砂浜がないのが

もののけ姫みたいに、背に乗って、山を駆け巡るのも、悪くないものです。
5. Posted by goodtime-masuho   October 29, 2010 11:15
>昔のジャンプの漫画のようにですね。

残念、中村雅俊や勝野洋の学園ドラマの世代でした。
6. Posted by 。   October 29, 2010 12:53
仙人さんが、アルカディアの住人であることは、
パパさんの記事から伝わってきますわ。
なんたって、エリュマントス山は、
アルカディアにあるんですもの。

「こいつは食えねぇ。」爆
で、次はどちらへ?
7. Posted by papa   October 29, 2010 20:20
>アルカディアの住人であることは、

西と東の横綱しか、コメントできない話になっちゃってるような気もしますが。

>中村雅俊

俺たちの旅なら分かります。

>で、次はどちらへ?

ここからが、このブログの本番ですよん。

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