February 12, 2011

マクロビと進化論 6)人間は何を食べるのが正しいのか?

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人間は何を食べて生きていくのか?

いや、実際、何、食べたら良いんでしょうね。
今、僕たちは、いろんな選択肢を選ぶことが出来ます。

和食、洋食、中華というジャンル。
食事法もマクロビオティック、火を入れないものを食べるローフード。
動物性のものを食べて、炭水化物を制限するアトキンスダイエット。
肉ばかりを食べる人たちもいますし、菜食の人たちもいます。

あれが体によい、これは毒。
そんな情報が、ネットでもたくさん行き交っています。

情報が多いから、選べるから、迷ってしまいます。
私たちは、何を食べたら正しいのか。


その答は、進化論にあると思うんです。


ぶっちゃけ、進化って何でしょうか?

ダーウィンという人が唱えた「進化論」。
彼の進化論は、「自然淘汰」。
つまり、「弱いもの」より「強いもの」が生き残るというもの。
その結果、生物が進化していくというもの。

ダーウィンの進化論が「間違ってる」って、叩かれるけど、
別に間違ってない。
『進化の仕組み』の半分は、この自然淘汰だもん。

もう半分は、遺伝子。
図解してみた。

猿の進化

進化って、こんなもんらしい。

最初に、遺伝子の変化があって、
毛の長い猿。毛の短い猿ができるでしょ。
 ↓
そのアト、氷河期が来て、毛の長い猿がたくさん生き残る。
 ↓
その子孫は、毛の長い猿になる。

大切なのは、氷河期が来たから、毛が伸びるんじゃなくて、
生物の多様化が先で、たまたま氷河期が来たってだけなのね。

『多様化』というのは、生物の『種』が生き残るのに、
とても大切な仕組みなんだと思う。

ただ、チンパンジーがいくら99%人に近いって云っても、
その溝は大きい。
外見も全然違いますものね。

生物が大きく変化する場合、ウイルスの影響、
つまり「病気」で、急激に進化するケースもあるみたい。

例えば、チンパンジーの毛が抜けるとこうなる(↓)。

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おっさん。

うん。急激に、人に近くなった。

人は夜寝て、昼、狩するでしょ(昼行性ね)。
昼、長時間動き回るのに、毛がない方が体温調節に有利だったのね。

じゃあ、そんな人間が何を食べるかの本題。

【肉食という選択肢】

3大栄養素ってあるでしょ。
「タンパク質」「炭水化物」「脂肪酸」の3つ。

このどれかが欠けても、生きていけないんだけど・・・

体の中での3大栄養素


「タンパク質」は、「炭水化物」、「脂肪酸」に変化できる。
「炭水化物」は、「脂肪酸」に変化できるけど、「タンパク質」の一部になれるだけ。
「脂肪酸」は、なーにも変化できない。

つまり、「タンパク質」だけで僕たちは生きていけるってこと。
基本、ほ乳類って、「肉食」に出来てるのね。

僕たちが必要な、必須アミノ酸を、
『最も効率よく吸収出来る方法』は、動物性食なんです。

でも、理論的にそれでOKでも、ヒトの場合、ライオンのようにはいかない。
ヒトの寿命が、長すぎるんです。

普通、動物って、生殖機能が無くなる頃に、寿命が来るのが自然です。
人間だって、もともと40年くらいしか生きなかった。
今は、その倍は生きることが出来ます。

肉食オンリーでは、長期的にみて循環器系などのトラブルを起こします。
肉だけでも生きられるけど、長生きは出来ない。


【菜食という選択肢】

じゃあ、菜食かというと、ヒトの場合、ウシのようにはいかない。
草食動物は、体の仕組みが特殊なの。

反芻胃

牛の腸の一番前には、反芻胃という大きなタンクがついています。
反芻胃には、重さで数十キロ、10兆個ものバクテリアが住んでいるの。
バクテリアの世代交代は、分単位。
1日もあれば、タンクの中身は、全部新しいバクテリアに入れ替わります。

で、死んだバクテリアは、どんどん牛の胃腸に吸収されて、
牛は豊富なタンパク源をゲットしているのね。
草だけだと、人間の場合、意識的に摂取しない限り、
ビタミンB12とエイコサペンタエン酸の欠乏によるトラブルが予想されます。
同じ理由で菜食は、遺伝子的に合う人と合わない人がいます。


【穀物食という選択肢】

じゃあ、穀物食かというと、穀物は決定的な欠陥がある。
必須アミノ酸の、リジンが少なすぎるのね。

だから、たくさん食べるか、動物性との組み合わせか工夫が必要。
これ分かってないと、結局、病気になると思う。
(詳しくは→
  マクロビと進化論 4)宮沢賢治の「一日ニ玄米四合ト」は食べ過ぎか?
  マクロビと進化論 5)じゃがいもとマクロビオティック

今、ほとんどの人間は【穀物食】を選択して、暮らしています。
それを前提に、現代でどのような食事が最適であるかと考えてみました。

栄養学的には。
穀物を主食に、足りないリジンを大豆と少量の魚介類で補い、
山野菜等を副食に、ミネラルとビタミンを摂取する。
欠乏しやすいエイコサペンタエン酸やビタミンB12を、
動物性食品で、定期的に補完する。

食べ方として。
動物性は少なめに、食べ物は偏り無く。
食事法にあまり固執せず、みんなと楽しく食事をすること。
良く噛むこと。

基本、粗食に、たまにはハレの日を楽しむ。
断食などの飢餓状態を定期的に設定する。
旬のもの、その土地で採れたものを食べる。
自然であることを基準に選ぶ。
よく働き、よく食べ、よく眠る。

結局、それはマクロビオティックのごはんに、
近いものになっちゃうんですよね。

でも、ここからもう一歩踏み込んでみたいと思うのです。


【違いという多様性】

晩年の桜沢氏が、「何を食べても良い」という言葉を残しています。
実際、この言葉はマクロビオティックの関係者からは、評判が悪かったの。

そのマクロビオティックには、正食という言葉がありますね。
だから、あえて問います。

人間は何を食べるのが正しいのか。

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世界中たくさんの人が暮らしていて、
いろいろな食事法の違いがあります。

『人間』といっても、人は千人千色です。

姿形も違うし、考え方も違う。
信じるもの、生き方、そして食べることも大きく違います。

しかし、違いはただ違うというだけ。
違うことが悪いことでは、ありません。

なぜなら、これから起きる未来が、
どのような人を、どのように選んでいくのかは、
誰にも分からないから。

「違い」という多様性は、進化の過程で、
生物が「不確定な未来」を、生き残っていくために必要なことです。

毛の短い猿が、毛の長い猿を非難したり、
相手の毛も短くしてやろうとはしません。
相手の間違いを正すことに、意味はないからです。

それが間違っているのであれば、その食事法をするグループは、
病気になったり、出生率が少なくなったりで、弱っていき、
やがて、強いグループに飲み込まれていきます。

自然であるために。
どんな食べ方があって良いのだと、僕は思うのです。

肉が好きな人がいても良いし、
玄米や野菜が好きな人がいても良い。
食べ方の違いもまた、多様性のひとつのバリエーションだからです。


【関連する記事】
マクロビと進化論 1)進化の分かれ道
マクロビと進化論 2)給食とおしりと空腹論
マクロビと進化論 3)牛乳とマクロビオティック
マクロビと進化論 4)宮沢賢治の「一日ニ玄米四合ト」は食べ過ぎか?
マクロビと進化論 5)じゃがいもとマクロビオティック
マクロビと進化論 6)人間は何を食べるのが正しいのか?

【眼横鼻直 禅マクロビオティック】


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この記事へのコメント

1. Posted by 。   February 12, 2011 05:03
みんな違って、みんないい。

詩人も、
宗教家も、
建築家も、
マクロビアンも、
バレリーナも、
結局、同じところに辿り着く
のかしらね?

私が、私であること
の中には、
色んな選択が含まれていると思うの。
その選択の結果が、今の自分であり、
未来の自分なのね。

でも最近、
本当に、私が選んだのかしら?
って、疑問に思うことがあるの。

時代のベクトルが、
何だか、同じ方向に向いてると
感じることってなぁい?

選んでるのかしら?
それとも、
選ばされてるの?

人は、今も、
進化の途中…フフフ
2. Posted by goodtime-masuho   February 12, 2011 10:47
「正」か「誤」か「善」か「悪」かを
単一的に決めつけるのではなく、
「真」か「虚」かを様々な視点から考えていく。

しかし、何が「真」か「虚」かも
また時間・時代と共に新たな知見が加わり
変化していく。

変化を素直に取り入れる寛容さが大事。

>人は、今も、進化の途中…フフフ

でも、ミミズ男にはなりたくないな。
大きなベルトは似合わないから。
3. Posted by fanta   February 12, 2011 15:07
こんにちはー。

チンパンさんの画像インパクト大ですね。

「おいしんぼ 山梨編」にて
しみいものことをしりました。
http://www.geocities.jp/a5ama/e053.html
山梨はアンデスとつながってたのかー
だからなんか郷愁が湧くのかな。
あっちの風景を観ると。

先日易の先生に年筮みてもらって
今年の運を養うなら「うんと喰え」と言われました。ええーーーっ。嬉しいけど、いつもデブデブ言うくせに〜。
4. Posted by だいごん   February 12, 2011 20:58
初めまして。奮闘記をひそかに読んでいたものです。ブログが終わってしまって本当に寂しかったので、今回新しく始められて本当に嬉しく読んでいます。ずっとマクロビオティックを中心に食事をしてきたのですが、昨年体重が極端に減り、多分免疫力が低下していたのか肺炎にかかり入院しました。陰陽や季節など知識があまりないままマクロビオティックでだめといわれているものを排除し、よいといわれているものを取りすぎた結果だと思います。病院食もあまり食べなかったため退院後、体のバランスが戻るのに時間がかかりました。今も毎日何をどれだけ食べたら良いのか、手探りの状態です。ただリズ・ブルボーさんの「からだの声をききなさい」という本を最近読み、おなかがすいたら食べる、よく噛んで食べる、体が欲しているもの(頭や欲望ではなく)を食べる。ということを意識するようになり、なんとなく方向が見えてきた感じです。でも本当にこれで良いのかな、と毎日の食事を振り返り考えてばかりいます。なのでパパさんの記事を読み少し気が楽になりました。これからも心の拠り所にさせて頂きたいと思います。
5. Posted by manmo   February 13, 2011 00:50
ぱぱさん、そちらは雪はいかがでしたか~?
こんな寒い日にはやっぱりほうとう!で温まりました。

”基本粗食にはれの日を楽しむ””固執せずよく噛んでみんなと楽しく食事する”
まさに~、うんうん。パパさんのお話は本当にすばらしい。
食いしん坊は欲とはいまだに戦いですが、ひとりひとりのみーーんなちがうんだから、マクロビでやっちゃいがちな否定をせず季節とからだの声を聞いて、感謝してにっこりおいしく食べたいですよね。
6. Posted by papa   February 14, 2011 00:28
もさん、こんばんは。

みんなちがって、みんないい。
金子みすゞの詩ですね。
僕もとても好きです。

陰陽の法則で、そのものの形と、性質は相反するというものがあります。
例えば。心臓は、形から見ると
『常に休まず動くアクティブな臓器(陽性)』ですが、
その働きは、『血液を体中に拡散する(陰性)』です。

形と働きは、逆になります。
云いたかったのは、これだけなんだけど、話がややこしくなった。

人間は、多様化する。
でも、魂は、ひとつの方向に向かってる。

もともと壁なんて無かった。
違いが合って良いなら、私たちは簡単にひとつになれる思うんです。
7. Posted by papa   February 14, 2011 00:32
goodtime-masuhoさん。
変化を柔軟に受け入れる寛容さ。
健康法の究極の答ですね。それ。

>大きなベルトは似合わないから。

今、大きなベルトが、ショッカー的な若者の間で熱いそうです。
60年代のファッションに、回帰しつつあるのでしょうか。

いや、ちなみに師匠、めちゃくちゃ似合うと思いますよ。
8. Posted by papa   February 14, 2011 00:37
fantaさん、こんばんは。

ぼくもちょうど、おいしんぼ山梨編、読んでたところです。
相変わらず、シンクロしてますね。
なんか嬉しいです。

長野では、凍み芋は粉にして、練ったものを三角柱に整形して、食べます。
「ウマ」と呼ぶそうです。
伝統文化は、まだ未知の宝箱。
ワクワクします。
9. Posted by papa   February 14, 2011 00:48
だいごんさん、はじめまして。

奮闘記には、『マクロビはじめて物語』というのあったでしょ。
あれ、実はアップしていない4話目があるんです。

「貝原益軒」。
はじめて、『食養』という言葉を作った人。
食養の大切さを説いて、当時として結構高齢まで生きた人なんだけど、なんか猪鍋とか大好きだったみたいだし。
結構、好きなもん食べてたらしいのね。

彼が言う、長生きの秘訣。
それは、食べ物にとらわれないこと。

たぶんね。
愉快であることが、人が生きていくには大切なことなんだと思うの。
10. Posted by papa   February 14, 2011 00:53
manmoさん、冬はやっぱり鍋ですね。
でも、山梨の人って、意外と、ほうとうって、食べないのね(笑)。

肉食も、マクロビも、ベジも。
それぞれの価値観をお互いに認め合って、みんな仲良く暮らしていければ、それがいちばん良いですね。

ひとりひとり、違う花ですもん。
それが百花繚乱に咲く世界は、
とても素敵だろうなと思うんです。
11. Posted by おちゃのじかん   February 14, 2011 07:56
去年自力整体に出会ってから「何を食べるか」だけではなく「どう食べるか」も大切と知りました。「どう」とは料理法ではなく、一日にうちの10時~5時の間に、楽しく、感謝していただく、ということ。人は骨盤のリズムに従って食べることにより、消化、吸収活動が順調に行われ、空腹で休むことで睡眠中に身体の歪みが矯正され、朝老廃物がきちんと排泄されるようにできているそうです。また食べたものの9割は消化のために使われるそうなので、1日3食は身体に負担になるそうで、1日1~2食で十分。食事を穀物菜食に変えたときより、食事時間と回数を変えたときのほうが、身体が劇的に順調になりました。人によって、栄養の吸収も違うと思うのですが、マクロビも現代の栄養の考え方も、こうした視点が欠けているような気がします。
12. Posted by papa   February 16, 2011 14:00
こんにちは、おちゃのじかんさん。
食べ方も考え方も、僕の生活トータルで、どこかがおかしくて、
具合が悪くなったのに、何を食べれば良くなるんですか?
というのは、そもそも違っていたんだと思うの。

あと、もう一つ、お茶のじかんさんのコメントを読んで、気づいたのは。

>部屋の片付けをして、日々のごはんを作り、
 出会う人にありがとう云う毎日に暮らせば、
 自然になりたいあなたになると思うんです。

これちょっと前に、オラフさんにお返事で書いた僕の文章。
これに気がつかなければいけないのは、ほんとうは僕自身です。

今の自分のために、自分の中から答が出る。
自分の鍵を見つけるって、そういうことかなと思うの。

ちょっと鍵を開けて、その向こうを覗いてきます。
13. Posted by touko   February 26, 2012 20:14
はじめまして。

マクロビオティック関連で検索していて、こちらのブログを見つけました。
また読みに来させて頂きます。
バレンタインのラッピング、とてもおしゃれですね。
とても美味しそうでした。
14. Posted by papa   February 26, 2012 22:39
はじめまして、toukoさん。
不定期更新の「チャンプルー・ブログ」へ、ようこそ。

こんな記事も書いていましたね。
マニアックな話ですけど、
読んで下さってありがとうございます^^。

>バレンタインのラッピング、とてもおしゃれですね。

ふふふ。100円ショップの力ですよ。
15. Posted by masaya   October 27, 2013 19:45
5 初めまして。
マクロビの情報を集めていて、
「マクロビを実践すれば間違いありません」とか「牛乳や動物性食物は体に悪いものです」とか自信たっぷりに断言し合う情報の中、たまたまこちらのブログを拝見しました。

私は19歳でプロの和太鼓打ちを目指しているのですが、
一般的に逞しく大きい体の人はきっと牛乳や、肉や魚を人一倍摂っている。
善悪って自分の中にあるもので、世の中に善悪は無いと思うのです。

違うことは、悪いことじゃないというpapaさんの考えはネットであまり見たことがなくて、説得力があって、楽しく読ませて頂きました。
お店も、とても素敵で是非伺いたいものです!

『「違い」という多様性は、進化の過程で、
生物が「不確定な未来」を、生き残っていくために必要なことです。』

今年一番響きました(笑)
16. Posted by papa   October 30, 2013 02:08
masayaさん、はじめまして。

19才で太鼓打ち。
やりたいことがあるのは、とても素敵なこと思います。

今は情報が多いですから、どんなことも知りたいことは手に入ります。
あれが良い、これが悪いという話も多いから、混乱することも多いですね。

人は、自分が否定したものによって、傷つけられます。

拒絶すれば、拒絶するほど、
それはより大きな「敵」となって、私たちに相対することになるの。
そうやって生み出した敵を攻めても、何も変わりません。
作ってるのは自分だし、その戦いには終わりがないから。

悪いものはなにひとつない。
砂糖も、肉食も、原発も。
この世界にあるもの全てが、そのままで良いの。
そう思うんです。
17. Posted by 沖明   September 02, 2016 00:01
papaさん、はじめまして。

数ヶ月前から食養生に興味を持ち、
自分に合った食事法を日々模索している者です。

本やネットで様々な文章・記事を拝見しましたが、
私には、papaさんの記事が
一番スッと心になじみました。

私もブログを始めようかと現在、準備中でして、
準備が整いましたら、ぜひ、
こちらの記事を紹介させてください。

papaさんの他の記事を読むのもとても楽しみです!

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