June 04, 2011

Simple Rocket Stove(ロケットストーブ1号)

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こないだジャンク屋さんで拾ってきた石炭ストーブ。
二束三文で売って貰ったんだけど。

あまりにも、状態が悪い。

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裏側に、大穴が3つも開いてるし。
もう、石炭を入れては働けないの。

サビ、錆だしね。


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さび付いているものを、タガネで叩いて分解してみる。
ガンガン、ばらばら。

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こりゃひどいや。
ここからがスタート。

これを【T型ロケットストーブ】に改造します。

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上部パーツに、電気ドリルで2.8mmの穴を開けてから、
4.2mmのドリルを突っ込んでねじが通るようにする。
4mmのねじで、ロストルを固定。

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下部パーツの底に、4×5cmの2次吸気口の穴を開け、
それに合わせて、ステンレス煙突のT字菅を固定。

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半煙突(長さ45cm)を立ててみる。
この部分が、60cmのヒートライザーになります。

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煙突に、外装パーツをかぶせて、
たっぷり断熱材を詰めました。

断熱材は、パーライト(商品名:ビーナスライト5号)を使います。

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セメントで断熱材をカバーして、蓋をします。
セメントは、砂2、セメント1、石灰0.05で配合しました。
セメントに石灰が入ると、耐熱力が上がるの。

昔の五右衛門風呂の職人さんの知恵ね。

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もう一本の煙突を加工して、焚き口にします。
長さ12cmで折り曲げ加工。

この焚き口の形状が大切です。

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上部パーツをはめて、ぴったりじゃん。
よしよし。

じゃ、仕上げ。

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ステンレスの鍋置き。
デザイン悪くて、普通じゃこれ、買わないけど。

変な足を切っちゃいます。

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ほら、五徳になりました。
ここに、ヤカンを置くのね。

下から、火がゴーッと出て、調理が出来るわけ。

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全身をグラインダーで磨いて、完成。
黒光りするボディは、力強い蒸気機関車のようです。

生まれ変わった、オンボロ石炭ストーブの新しい人生。
命名【ロケットストーブ1号(T型簡易ロケットストーブ)】ね。

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小さくても、ロケットします。
ごぉー。

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火力が、いまひとつです。
下からの2次吸気量をもう少し、工夫したいと思います。

多くても少なくても、ダメなんですよね。


じゃあ、自分で作りたいというひとのために、「簡易ロケットストーブ」の図解。
「簡易ロケットストーブ(simple rocket stove)」は、【L型】【T型】に分かれるんです。

簡易ロケット図説

青い矢印は、「吸気の流れ」ね。

【L型】は、真ん中に「エルボー(曲がり)」を使う配管をします。
ロケットストーブ(8インチ)に煙道の形が似ています。
煙道の断熱性が高く、吸い上げ効果が優れます。

作成の実例「Blog 地給自足 L型ロケットストーブ作成方法」
     「山の麓の工房から blue&yellow」

【T型】は、真ん中に「T字菅」を使う配管をします。
T字の下には、穴が開いていて、そこから2次吸気が入ります。
完全燃焼しやすく、2次吸気を「絞り気味」に調整すると、強い火柱が立ちます。

作成の参考「もりのいえ T型ロケットストーブ作成方法」


大きいロケットストーブじゃ、置き場所に困るけど、
小さいロケットなら、キャンプとか、アウトドアでも活躍しそうですね。


【関連する記事】
ロケットストーブの原理 パーフェクトマニュアル
5分で分かるロケットストーブの原理<改訂版>
ロケットストーブ 1)ロケットストーブの設計
ロケットストーブ 2)蓄熱ユニットの設計
ロケットストーブ 3)スコリアと配管
ロケットストーブ 4)黄金の粘土
Simple Rocket Stove(ロケットストーブ1号)
ロケットストーブ 5)ロケットストーブの製作
ロケットストーブ 6)大型ロケットストーブの実用的燃焼法
ロケットストーブ 7)ロケットストーブの欠点


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この記事へのコメント

1. Posted by goodtime-masuho   June 04, 2011 06:30
L型の場合、焚口横からの吸気は着火時直後のみで
火力が上がってきたら閉じた方がいいですね。

うちのは火力が強すぎて、針葉樹の薪の場合なんか
うっかり目を離してると結構早く燃え尽きちゃいますね。

この頃は竹を割ってくべてます。
でもナタを使うときに気を付けないとこんなことに。
       ↓
http://tken.exblog.jp/15517475/
2. Posted by AGUL   June 04, 2011 13:22
美術館で昔、
エクセキアスという方の陶画を
解説したことがありますの。

古代の陶業の中心地は、ギリシャでした。
アテネ郊外にあった陶芸家たちの居住区
ケラメイコスが、セラミックの語源です。

石を積み上げ、粘土で固めた釣鐘状の
1.5~2mほどの石窯で、
それは見事な陶器を焼きました。
横穴式の焚口と、上部の通気口だけで、
窯の中の酸素と二酸化炭素の量を調節し、
陶土に含まれる鉄分の
酸化、還元反応を利用して、
赤と黒の焼き分けを行ったのです。

エクセキアスの描く陶画は、
レース模様を思わせる繊細さです。
BC5世紀頃の方ですのよ。

当時も、陶器の成形と絵付けは
分業制でしたが、
エクセキアスは、全ての行程を
自分一人で行いました。

人の手が生み出すものは、
素晴らしいですね。
人の手で作り、手入れをし、直し、
大事に使っていく。

後の者が、見て覚えていける手仕事、
手本にできる手仕事、
作る間も、作ってからも、
使ってる間も、役目を終えてからも、
本当に美しいものは、全てが美しいと、
そんな風に思います。
3. Posted by Levi   June 04, 2011 14:36
こんにちは

石炭ストーブ君、新しい用途でお仕事が出来るようでなによりです。
パパさんアイディアマンですね。
考えて作るのって好きでしょ。
とっても楽しそうです。
4. Posted by papa   June 04, 2011 20:40
師匠、アドバイス有り難うございます。

T型を改良して、焚き口をTにしてみようと思います。
「ダブルT型」ですね。

>気を付けないとこんなことに。

痛い。
エンコ詰めて、どーするんですか(××)。
5. Posted by papa   June 04, 2011 20:54
アフリカや東南アジアの住宅に、手で絵を描くというものがあります。このデザインは、エキゾチックさが独特で、とても魅力的です。
こういう絵は、僕たちにはかけない。

芸術家でも、画家でもない、普通の原住民のおっちゃんが書いて絵ですが、そこには欲がありませんもの。
時間をかけて、丁寧に丁寧に創り上げるもの。

昭和の鋳物や、車にもそういう美しさがあったように思います。

経済効率とかを優先すると、そういう美しさが、
私たちの暮らしから、どんどん消えてしまいますね。

つくる暮らしのある生活がしたいなぁと思うんです。
6. Posted by papa   June 04, 2011 20:55
こんばんは、Leviさん。

ものづくりをすると、つい、凝りすぎます。
普通に出来ないんですよね〜^^。
7. Posted by hirokototomi1   June 05, 2011 01:32
こんばんは。
ストーブの火、きれいですね。なんか生きている!って感じがします。
前の記事で書かれていた、価値のないもの、古いもの、わたしも大好きです。でも眺めるだけで、なんだか近付けそうで近付けない、たまらない気持ちを持て余していました。papaさんはそこに新しい人生を生み出しちゃうんですねえ。そっかー、と思いました。
>アフリカや東南アジアの住宅に、手で絵を描くというもの
知らなかったです。すごい気になります。
8. Posted by papa   June 05, 2011 12:36
こんにちは、hirokototomi1さん。

僕、今、一番興味があるのが「アースバック工法」です。
穂高養生園というところに、その建物があります。
http://morymeg.exblog.jp/16250195/

良い感じでしょう?
たぶん気に入るかなと思いました。

ロケットストーブの、完成系もここにあるのね。
こういう建物が造れたらなぁと思うの。
9. Posted by hirokototomi1   June 06, 2011 02:01
papaさん、そんなのあるんですね。このブログでいろいろ教わっています。ありがたいです。
「アースバック工法」ですか、はあー気に入りました。すごく良い感じ、第六感の冴えそうな空間だ!
オハナ、完成したら山梨へ旅しないと、と思っています。価値観変わるだろうな、と楽しみにしているのです。
10. Posted by papa   June 06, 2011 09:03
6月14日から17日まで、安曇野で、
その「アースバック工法」の建築ワークキャンプがあります。
シャロムの臼井さんのとこですね。

それに参加してきます。
お店作りにいかせればと思います。
11. Posted by TROY   June 09, 2011 20:28
5 なかなか着手出来ないロケットストーブ。田んぼが落ち着いたら、先ずは一斗缶で作ってみようかな。
いろいろ教えてください〜
12. Posted by papa   October 04, 2011 21:42
こんばんは、TROYさん。
しばらく、それ関係の記事が続きます。
よかったら、参考にしてみて下さい♪

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