June 29, 2010

ノアの洪水

古い聖書の記述で有名な物語に『ノアの洪水』があります。

こうじう













アダムとイブの時代から、時は流れ、
エデンの園を追放されたアダムの子孫たち「人間」は、地上に繁栄していました。

当時の人間の平均寿命は、900歳。
しかも、今の人間より大きな体を持っていたと聖書にはあります。

人は神様との約束を忘れ、地上は罪で溢れていました。
ただノアを除いて、誰一人、神様を想う人もいません。

神様は、人間を作ったことを後悔しました。
じゃあ、ぜーんぶ滅ぼしちゃおうと、大洪水を計画しました。


でも、自分を信じてくれるノアだけは、生き残らせてあげたい。
だから、お前、箱船を造りなさい。

はこぶね 有名な『ノアの方舟』です。

 ノアは、頑張りました。

 聖書の記述通りだと、全長130m。
 構想100年。オール木製。
 排水量は、タイタニック号に匹敵しちゃう
 巨大な建造物です。

 今も、トルコのアララト山に実在するとか。
 うん、探検に行きたい。


雨は40日降り続き、洪水は世界中を滅ぼしました。
ノア以外ぜんぶ。
神様は、もう洪水で人間は滅ぼさないよと約束して、空に虹を架けます。


メソポタミア地域限定の洪水だったとする説もありますが、
僕は、聖書通り、世界中が水没したという説の方を支持しています。
だって、地域限定なら、100年かけて箱船造る前に、
ノアさんが、引っ越した方が早いもの。

実際、この洪水伝説に似た物語は、世界中で伝承されていますし。
でも、世界中を飲み尽くすだけの水が説明できないですね。


で、今日の本題。
創世記7:11にある
「巨大な大いなる水の源が、ことごとく張り裂け、天の水門が開かれた」の大洪水を
科学的に説明、出来るかどうか。

洪水前の地球は、『水蒸気層』と呼ばれる透明な水蒸気の層に包まれていたと、
考えられています。
酸素もいまより50%も多く、今より動物も、植物も巨大でした。
気圧は今より高く(2気圧以上)、そのため、この時代の空には虹が無かったの。
ずっと暖かく、風もなかった。
有害な宇宙線も地上には届かなかった。

この大気が無いと、プテラノドン(翼竜)は空を飛べないの。
あ、ちなみに、洪水以前までは、人間と恐竜が共存していたと云う説もあります。
どっちにしても、この環境は、生物にとって楽園でした。

有害な紫外線や宇宙線が地上にほとんど届かなかったから、
遺伝子にエラーが出ない。
もともとアダムとイブは、完璧な遺伝子を持っていたから、
900歳生きるし、近親結婚も可能だったと考えられます。

アダムは、930歳。
ノアは、950歳まで生きました。
長寿とかそういうレベルじゃありませんから、眉唾ですが。

洪水以降は、どんどん短命になります。

彼の息子であるセムは、 602歳まで。
彼の孫であるアルファカドは、483歳。
ノアから11世代めであるアブラハ ムは175歳。
モーゼの時代には70歳前後だったと云われています。

人間を守っていた水蒸気層が、無くなってしまったのが原因のひとつだと説明できます。
火山活動や大型隕石の落下などが原因で、大量の砂塵が地球をガードしていた
水蒸気層を冷やし、これが雨になって、洪水を起こしたと。


しかし、それで世界中を埋め尽くす水が足りるでしょうか。
もう少し、水を追加してみます。

で。ここで天体「M」が出てくる。

p011










天体「M」は、大きな彗星です。
木星の衛星、エウロパのように、『氷の小惑星』でした。
外側は、岩石と氷。中は高温高圧の熱水のマントルと、重金属の核(コア)。
要するに、お湯の詰まった氷の卵ね。

大きいです。
これがどんどん地球に近づいてきました。

p022










「ロシュの限界」と呼ばれる地球の最終防衛ラインを超えると、
互いの重力がプラスマイナスゼロになって、そこが無重力になるの。

その無重力に向けて、天体「M」内部の水圧ががぁーっとかかる。
亀裂が入り、小惑星内部の水が一気に地球に降り注ぎます。

p033










星1個分の水が、
聖書が語る「天の大きな淵の底が抜けた」大災害を起こします。

岩石と大量の水、一部の重金属が、水柱となって地球を直撃。
残りの水も、地球の周りを旋回しながら、滝のような雨を降らせます。

高さ千メートルの大津波を起こし、海面を2千メートル以上上昇させる凄まじい量の水は、
地球の重さを増やし、その重力を変えてしまうほどのものでした。

p055










天体「M」の亀裂に核(コア)の部分の重金属や岩石が塞ぎます。
天体の内部は空っぽになり、質量が軽くなったため、地球の重力につかまり、
その周りをぐるぐる回り始めます。

これが「月」です。

地球は、水蒸気層を失い、1気圧に減ります。
酸素も減り、地球の重力は20%も増えました。
この環境の変化により、それまで生存していた大型の生物は死に絶え、
新しい世界が始まります。

雨は上がり、空には虹が架かります。
空に満ちた空気が変化して、七色の光が映るようになったのです。

にじ










うん、良く生き残ったな人間。

この説を裏付ける理由として、

1)太陽系惑星で、地球だけに極端に水が多いこと。
  →水は、地球外から来たと考えられる?
2)地球に比べ、衛星としての月が大きすぎること。
  →1/81の大きさ。他の星と比べて、大きすぎる?
3)月には磁場がないが、昔は磁場があった形跡が月の石にあること。
  →昔は、金属の核があったが、今はない。空っぽか?
4)月の表面(地球側)には、月の海が多く、そこに星の中心部分にしかない
  レアメタルが集中していること。
  →月の海には、クレーターも少ない。新しい?

他にもいろいろあるけど、省略。
話長くなったから。

ごめんなさいね。
えらいマニアックな記事になっちゃった。
こういう面白い切り口の説は、個人的に大好きなのね。


でも。
なぜ神様は、「罪を犯さない人間」を作らなかったのかな。
そしたら、滅ぼさなくても良かったのに。

僕はね。
不完全だからこそ、人は成長することが出来ると思うの。
失敗を乗り越えて成長していく人間を、神様は愛していたのかもしれない。


参考文献・ウェブサイト
「氷惑星の謎」       高橋実
「恐竜と共に滅びた文明」  浅川嘉富
【月の謎】http://www.fitweb.or.jp/~entity/uchuu/tukinonazo.html
【ノアの方舟・洪水伝説】
【ノアの方舟(1)pdf】


bluetailhappiness at 05:36│Comments(4)TrackBack(0)clip!例えばこんな話 

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この記事へのコメント

1. Posted by 。   June 29, 2010 09:48
あら、伝説についてかと思ったら、
ずい分と科学的なお話でしたのね。

宗教的には、ノアの洪水は、
地球のバプテスマ(洗礼)という
解釈だそうですわ。
宗派によって、考え方は、
違うのかもしれませんけれど。

今は、祈りというと、
胸のあたりで、手を合わせる姿を
連想するでしょう?
古代の壁画なんかを見ると、
両手を広げて、天を仰いでるのよね。
オランスというの。

人は、今よりずっと、
天を意識しながら、
生活していたのかもしれませんわねぇ。
2. Posted by papa   June 29, 2010 10:16
「ノアの方舟」は、イエスキリストを差します。
だから、信じる人は救われます。
そういう布教的な解釈もあるけど、否定はしませんよ。
でも、男のロマンがないの。

アララト山、標高2千メートルの氷河の下に眠る方舟。
北緯39°26′4″、東経44°15′3″ね。
帝政ロシアの捜索隊がかなりの情報を掴むも、ロシア革命のどさくさで資料が喪失。

もう、なんか冒険に出るしかないでしょ。
3. Posted by goodtime-masuho   June 29, 2010 19:04
900年も生きたら何しよう?
林業しても自分の代で8~9回くらい収穫できるかも。
冒険に出る前にお稲荷さんを置いてってね。
4. Posted by papa   June 29, 2010 20:44
こんばんは、師匠。

900歳。
自分の孫の孫の子供が見られます。

>冒険に出る前にお稲荷さんを置いてってね。

注文ですか(笑)。

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