January 17, 2012

ロケットストーブ 5)ロケットストーブの作成

P5280233

ひと昔前のOhana。
なんかもうずいぶん昔のような気がするけど。

去年の初夏でしたね。

開催したロケットストーブのワークショップの流れを踏まえて、
今日は、ロケットストーブの作成方法について書きたいと思います。



P5280236

Ohana(オハナ)は、築50年の古民家です。
改築して、レストランにする予定で、
床を解体して、土間に戻してあります。

入り口脇、南東側のここが、ロケットストーブ、設置予定場所。


P5280234

ロケットストーブの作成は、10名ほどの有志と地元の仲間で、ワークスタイルで作ります。
ロケットストーブ普及協会のkekeさんに、講師をお願いしました。

必要な道具もずらりと、並んでいます。


P5280235

工具で、必要なものは、こんなものでしょうか。
防塵マスクと防護メガネが2組は、必要です。

基本、みなさん、汚れても良い格好でトライしましょう。
超、汚れます。


PA270077

主に使う電動工具の『ジグソー』。
電動のノコギリですね。


PA270083

業務用は、ハイパワーです。

鉄鋼用のブレード(刃)をつけると、ドラム缶でも切れます。
めちゃくちゃ、うるさいです。


PA270101

もう一個は『グラインダー』。
石の加工には、欠かせない道具です。

鉄鋼用の刃をつければ、鉄も切れます。


PA270100

ダイヤモンドカッターという円盤状の刃を取り付けると、
石を切ったり、削ったり出来ます。

結構、危ない道具です。
注意して下さい。

これも、うるさい道具です。
ロケットストーブのワークは、基本うるさいですね^^。
山奥で開催したい感じです。


ロケットストーブデティール

基本的な、ロケットストーブの概念図です。
(仕組みの解説→【5分で分かるロケットストーブの原理<改訂版>】

中心部にU字溝。
その外側に、100Lが取り巻いていて、隙間に断熱材を仕込みます。
これが『ヒートライザー(熱上昇炉)』。

その外殻を、200Lのドラム缶で作成しています。


P5280241

180サイズのU字溝。
蓋と合わせて、3本ずつ必要です(本体と蓋は、別売り)。

これを設計図通りに、グラインダーで裁断します。


U字溝の裁断3

単位は、ミリです。
寸法は、絶対ではありません。


P5280242

パーライトと、粘土を混ぜて、『断熱土』を作ります。

配合は、目分量です。
少し水を入れて、まとめる感じ。


P5280256

仕上がりの目安です。
パラパラ。少ししっとり。


P5280255

設置予定の場所を、少し掘り下げています。
今回、配管から逆算すると、ヒートライザーは少し潜るの。

レンガを3つ並べて、断熱土を盛ります。
ヒートライザーの下を断熱して、地下への放熱を防ぎます。


P5280272

ヒートライザー用U字溝の【水平パーツ】を、断熱土と粘土で固定します。
そこに、垂直の【煙突パーツ】を設置していきます。


P5280260

【煙突パーツ】は、蓋と身をアルミテープだけで固定しています。
U字溝は、とても重く、欠けやすいので、慎重に扱います。


P5280261

【水平パーツ】に、【煙突パーツ】をじか乗せ。
穴は、この大きさにくりぬいたパーツで塞ぎます。


P5280263

基本形態。
パーツの裁断が正確に出来ていれば、難しくないです。


ヒートライザーデザイン

ヒートライザーの基本デザイン。
焚き口と煙道の部分に、まだ改良の余地があるような気がします。


P5280266

ヒートライザーの水平を出します。
傾いてたら、ぜんぶ斜めになっちゃうもの。


P5280265

ヒートライザー本体の下に石を打ち込んで、水平を修正します。
この辺が、あとあと大切なのね。


P5280277

とりあえず、100Lのドラム缶をかぶせてみた。

この下の部分に、スカートを着けて、
ヒートライザー下部まで断熱する新方式。

100Lドラム缶は、非常に入手困難です。
2個必要。
鉄くずの廃棄処理場に、山積みになっていたりするんですけどね。


P5280282

ふたつを足して、ビスで固定。
この辺が、チームに経験者がいないとしんどいところ。


P5280283

手前をU字溝に合わせて、カットしました。
丁寧に寸法を測り、裁断をしていきます。


ドラム缶の裁断

ドラム缶の規格と、その裁断寸法。
Ohana仕様です。


P5280288

ぽこっと、はまる。
第1段階終了です。

次、行きましょう。


P5280290

トップは、すり鉢型のラッパ状になるので、
100Lドラム缶は、少し上に来ます。


P5280291

その上、3cm上に、外殻のトッププレート(天板)が来ます。

このクリアランス(隙間)が、重要とされますが、
他機を見る限り、これも絶対ではないようです。


P5290405

天板は、トップより1cm凹んでいるから、
その分、4cm上に200Lドラム缶が来るのね。


P5290326

もう一度、『断熱土』を作ります。
パーライト、粘土、水。

和食の和え物のような、感覚です。


P5290333

握ると、固く丸まって。
やがて、ぼろぼろする程度。


20e9306c

黒曜石のパーライトは、黒曜石という石を1000℃以上の高温で焼いた資材で、
結晶の中に、大量の気泡を含むため、断熱性能に優れます。
もちろん、熱にも超強い(解説→)。

(注:パーライトには黒曜石と真珠岩を原料にした2種類があり、
   性質が全然違うものです。購入の際、注意して下さい。


P5290327

煙道に蓋をして、隙間に『断熱土』を詰めていきます。
しっかり詰めてね。


P5290307

『耐火セメント』。
耐火モルタルとは、また違うみたいです。
耐火性能のあるセメントといった感じでしょうか。


P5290315

練ったもので、ヒートライザー【水平パーツ】の組み部分に、
燃焼気体の流れがスムーズになるように、アールをつけます。

画像だと、分かりづらいですね。


P5290344

残った耐火モルタルは、断熱材の上に、どばーっと流して。


P5290353

ケーキのデコレーションの要領で、なめらかな【ラッパ状】にします。

ここで、気体が膨張し、急激に冷やされて、
ダウンドラフトする仕組みらしいですね。うん。


P5290358

せっせとラッパ作ってる間に、
200Lのドラム缶での、外殻作りに入りました。

200Lのドラム缶は、簡単に手に入ります。
これ一個、100円くらいだったかな。


P5290380

ドラム缶ふたつを結合し、丸い穴を開けて行きます。
ジグソーの出番ですね。

ガーガー、アヒル千匹の合唱といった感じです。


P5290381

こういう感じの裁断になります。
手を切りやすいので、注意して下さい。

っていうか、こういうこと出来る人に云うことでもないですけど。


P5290390

外側に折り曲げて。


P5290385

こういう感じで、200ミリの煙突に結合します。

結合部分には、あとで「7ミリメッシュ」くらいのアルミの網を張って、
粘土で厚く覆う仕上げになります。


P5290399

前もくりぬいて、がちゃん。
これで、8割がた完成です。


P5290407

煙突を配管。
とりあえずの基本形です。

ヒートライザー出てすぐのところに、
灰だまりを作って、点検口から掃除出来るように工夫しています。

今回、【横引き煙突】は6mの設計。
理論上は、12mまで横引き可能と云われています。


P5290414

ヒートライザー200Lの外殻と、煙突結合部分を粘土で覆って、
仕上がりです。


P5290417

第一回燃焼テスト。
プロトタイプですが、上々の燃え方です。


P5290424

焚き口を上部に拡張。
長い薪も固定出来ます。

しかし【焚き口】の造作には、まだ工夫が必要だと感じます。


P5290432

良く燃えていますね。

ロケットストーブの作成は、たくさんの人の助力で完成しました。
あらためて、本当にありがとうございます。

大変な作業も、みんなで成し遂げると、楽しいものです。


IMG_1042

ワーク後、いろいろ研究して、
バイパス型(多路式)の配管を設置しました。


IMG_1407

床には、黒いスコリア(富士山の多孔質の溶岩で、断熱効果が高い)を敷き詰めてあります。

1本の主配管(175mm)は、ヒートベンチに。
2本のバイパス(75mm)は、床下暖房(オンドル)に利用します。

主配管には、ダンパー(空気調節弁)を取り付けてあります。
バイパスは、今回2本でしたが、今思えば、4本が正解でした。


IMG_1408

配管をヒートライザーに、再接続。


IMG_1413

ここに、20cmの厚さで、コンクリートの土間をうちます。
手運びで、コンクリート運びましたっけ(王様→)。


IMG_1416

ここが床暖房のかなめ。
蓄熱層になります。


IMG_2172

ヒートライザー本体の燃焼テストを繰り返し。


IMG_2194

壁際に、蓄熱と断熱を兼ねたレンガの壁を築きます。


IMG_2278

ヒートベンチは、遠赤外線の出る鉄平石を大量に仕込み、
その隙間を粘土で埋めて、成型しています。

詳細は、別の記事にしますね。


IMG_2277

レンガの積み上げも、後半の頃です。


IMG_2252

完成した、レンガの壁。
ロケットストーブ本体の、再改造中を行っていた頃です。

これから。
新式の煙道の設置と、ヒートベンチの仕上げをしなければなりません。


IMG_2315

現在の【ロケットストーブ2号改】。


あれ?
これはまだ、内緒でしたっけ。



冬。
山梨なんかで店開けても、客なんか来ないよって、みんな云うけど。
そんなに心配してないの。

もちろん、美味しいの作るし。
だって、見たいでしょ?
これ動くとこ。


Ohanaのロケットストーブ。
完成の時が、近づいています。

頑張ります。



【関連する記事】
ロケットストーブの原理 パーフェクトマニュアル
5分で分かるロケットストーブの原理<改訂版>
ロケットストーブ 1)ロケットストーブの設計
ロケットストーブ 2)蓄熱ユニットの設計
ロケットストーブ 3)スコリアと配管
ロケットストーブ 4)黄金の粘土
Simple Rocket Stove(ロケットストーブ1号)
ロケットストーブ 5)ロケットストーブの製作
ロケットストーブ 6)大型ロケットストーブの実用的燃焼法
ロケットストーブ 7)ロケットストーブの欠点


bluetailhappiness at 01:09│Comments(10)TrackBack(0)clip!ロケットストーブ 

トラックバックURL

この記事へのコメント

1. Posted by tairaku   January 18, 2012 10:53
花○!よくがんばりました!

オテヲハイシャク!ヽ(  ̄∇)ノヨォ~( ̄人 ̄)パパ!( ̄人 ̄)パン!( ̄人 ̄)パン!
2. Posted by Toshi.K   January 19, 2012 09:54
楽しいね〜♪大人の火遊び。店内の設置だから
これはもう遊びの範疇ではないと思うけど。
見たいです〜。 200Lの上部の「フタ」の部分から煙は漏れないのか?とか、出口の灰たまり&点検口の造作など興味はつきないです。

うんうん‥‥‥間違いなくオハナは人気店になります。だって気がつけば長野県人に私が毎月山梨通いになっているのだもの。未だ開店していないのに。 ゆっくりでいいから‥‥待っています。
3. Posted by 。   January 19, 2012 20:55
物事を為し遂げるための第一の要素は、
技術じゃなくて、“やる気”ですわね?
4. Posted by papa   January 19, 2012 22:00
師匠、コメントが今時の女子っぽくなってますけど^^。
5. Posted by papa   January 19, 2012 22:03
>楽しいね〜♪大人の火遊び。

男のロマンです。
嫁さんが温かく、半ば諦めて見守ってくれるから、出来ることなんですけど。

>間違いなくオハナは人気店になります。

頑張って、オンリーワンを目指します^^。
とりあえず、次にいらっしゃるまでに、座る場所、確保しないと。
6. Posted by papa   January 19, 2012 22:05
>技術じゃなくて、“やる気”ですわね?

やる気満々なのですが。
なかなか苦戦しています。

でも、やっと終わりがちょろっと見えてきた感じで。
ほら、あの山の向こうに(笑)。
7. Posted by 藁   January 19, 2012 22:06
しばらく見ない間に、ここまできましたか。やっぱり昨日寄れば良かったか・・・。また寄ります。
8. Posted by papa   January 19, 2012 23:47
藁さん。
昨日は、お会い出来なくて、すいませんでした。

でも昨日、いらっしゃっても、
座る場所がありませんでしたから(笑)。

いらっしゃるまでには、もう少し片付けておきますね。
美味しいチャイが飲めるように。

平日の日中は、だいたいいますので。
いつでも、お越し下さい。
9. Posted by ikeda   January 26, 2012 09:34
はじめまして!
ロケットストーブ制作記。とても楽しく拝見いたしました。お店にも行ってみたいです。
10. Posted by papa   January 26, 2012 18:56
ikedaさん、こんばんは。

ガウディが師匠なんですね^^。
製作記ひととおり読ませて頂き、とても参考になりました。
いつでもお店にお越し下さいね。

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔