April 06, 2012

古民家でDIY 13)諦める部分

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Ohanaの古民家を僕が気に入った、一番の理由が、
このブリキの雨樋。
もう50年近く前の装飾雨樋で、
鉄に錫(すず)をメッキしたブリキという素材で作られています。

昔は『ブリキ屋』と呼ばれる専門の職人さんたちがいっぱいいて、
それぞれの技を競い合っていた。
そういう時代もあったのね。

しかし、長年の風雨と、15年ほとんど手入れされてなかった、
この家の雨樋は、ひどいダメージを受けていました。

「もうダメだね。こんなの無理だよ」

みんなが口を揃えて云います。
新しい雨樋に変えた方が良いよ、プラスチックの丈夫なやつがあるから。

すでに時代は変わり、
ブリキの雨樋は、ほとんど施工されることがなくなっていたのです。

誰も、やりたがらないの。
うーん。


じゃあ、自分でやりますか^^。

すでに「やる!」と決めた頭のデータ書き換え機能、僕にないもん。
プラスチック製の雨樋工事一式が、60万円だったことも、理由なんだけどさ。


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問題は、剥げかけた古い塗装部分。
やりたい放題のサビ。


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「ベベル」というグラインダーのアタッチメントで、
表面の塗料とサビだけ、極薄く削る。

「ベベル」は、安いやつで十分。


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すでに、大きく抜け落ちた部分や細かい穴も。
板金技術があったらなぁ。


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耐候性シーリング。
シリコン材。
速乾・金属用パテ。
3mmのアルミ板。
金属用ボンド。


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あらゆる手段を駆使して、修復した。
とりあえず、10年持てば良い。

10年後は、きっとドラえもんが「タイムふろしき」とかで、何とかしてくれるはずだ。


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→AFTER。

美しい装飾がよく見えるようになりましたね。
これ、どうやって作ったんだろ。


つぎは、塗装に入りましょうか。
塗装は、赤さび色のさび止めを塗ってから、えーと。


赤?


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レッド着色。
ギラギラした赤がスプレーから吹き出した。

赤は、まずかった。
素敵な雨樋が、シャア専用になる。
*注釈 シャア・アズナブルさん:某アニメの主人公のライバルで、自分の乗るロボットを全て真っ赤に塗装する目立ちたがり屋さん

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これじゃ、公園の遊具じゃん。



なんの、まだまだ。


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艶ありの「レッド」をポイントで、下地に吹き付け。
ハイライトで、「レッドオレンジ」を軽く吹き付け。

さらに「赤さび色」で、全体にシャドウ(影)をかける。
スプレー3種類で、『ちょっと古めいて、でも歌舞伎チックなカラーリング』を追求してみた。


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うーん、こんな感じか。
ちょっとシック。


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いよいよ、取り付けます。
大工さんをヘルプして、足場を組んでもらいました。


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ふたつの脚立に、長い板を渡しただけの足場ですけど^^。
これで十分です。


あー、高いところって、なんか楽しい。


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足りない部品は、長坂の金物屋さん『伊藤物産』で、手に入れました。

小さい町の商店ですが、
ここの倉庫は、そこら辺のDIYマーケットをしのぐ在庫量。
ホント、在庫管理出来るのか?・・・ってくらいある。


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裏のトイレにも、お揃いの雨樋。
古材の柱を立てて、支えに使います。


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フロント部分も、修復。
赤い雨樋が、古い民家の良いアクセントになりました。


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すごい存在感。

うーん。
やっぱ良いな。


人生には、「諦める」が必要なときがあります。

諦めるということ。
それは、自分の手にあるものの中でも、十分に幸せになれるという気づきだったり、
執着するものを手放す生き方だったりします。

でも、自分の限界に線引きして、夢を忘れてしまうことに、
その言葉を使いたくないの。
出来る、出来ないに関わらず、どんなことでもやってみる価値はあると思う。


僕の場合は、夢を諦めなかったなんて、かっこの良いものじゃないんだけどさ。
ただ「頭のデータ書き換え機能」がなかっただけ。


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さあ、次行こうか。




bluetailhappiness at 08:22│Comments(8)TrackBack(0)clip!

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この記事へのコメント

1. Posted by Levi   April 06, 2012 21:09
こんばんわ

古いブリキの雨どいが見事復活しましたね。
PaPaさん凄すぎ~

こういう職人さんの技で出来た物って残したいですよね。
素晴らしいです。
2. Posted by manmo   April 06, 2012 23:24
古民家にアクセントとなる赤の重厚なブリキの雨どい
なんて素敵なんでしょ!
春とともにピッチがあがっていて楽しみです。
なんでも蘇生できるDIYの達人として表彰されそうです。
3. Posted by 。   April 07, 2012 23:31
真田の赤備えは、
戦場でわざと目立つ色を選んで、
死をも怖れず戦い抜く覚悟を
敵味方に示すための戰装束だった
そうですが…
オハナの雨樋の色も、
最後まであきらめない覚悟の赤
でしたか。(* ̄∇ ̄*)

そういえば、
おばばが子供の頃お気に入りだった
バラの花模様のお弁当箱も、
赤い金魚の形をしたジョウロも、
たしか、ブリキ製でしたわねぇ。

なにやら独特の味がありますのね。
4. Posted by papa   April 09, 2012 21:04
こんばんは、Leviさん。
古民家も赤色のアクセントが入ると、ぐっと良くなります。

昔の職人さんは、海外を渡り歩いて、
技術の勉強をしたと聞きます。
もう、作れないから、出来るだけ残してあげたいと思うのです。
5. Posted by papa   April 09, 2012 21:05
manmoさん、こんばんは。

春になって、暖かくなりましたから、
良い感じに仕事がはかどります。
次は、ロケットストーブの最後の木工事。

それが終われば、お店はぐっと片付きます。
もうちょっと。
6. Posted by papa   April 09, 2012 21:07
こんばんは、もさん。

決死の覚悟で、桜前線と戦っています。
桜が咲くタイミングに、お店のオープンを合わせたいです。

お店のオープン、4月24日にしました。
果たして、どーなるか。

頑張ります。
7. Posted by tairaku   April 10, 2012 00:46
店...赤字にならないといいね...

まだ玄関のとこ片付いてないし...

ほんとに大丈夫か...
8. Posted by papa   April 10, 2012 01:04
また、不吉なことを。

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