July 06, 2013

嫁の実力

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もう先月になるけど。
「味が分からない」というのが、一回あって。

それでなくても仕事ハードなのに、
つまらない人間関係で、過度にストレスを抱えすぎて、
結果、なんだか塩が分からなくなるらしい。

非常に、面白いケースだと、冷静に分析してみる。

甘みや香りでだいたいの味の濃度は、分かるんだけど、
塩を足しても、足しても、舌でなにも感じられないの。

根幹が抜けちゃってるから、味の組み立てが出来ない。

あれ?
それって、料理人としては、致命的なダメージなんじゃない。
ごはんが作れないもの。



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そんなときに、テレビの取材だったりする。

ははは。
ちょっと試練が厳しすぎないでしょうか、神様。
まじめに、もうちょっと手加減して(TT)。



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そんなとき、後ろでぱしーん。ぱしーん。
・・と音がする。

ハエ叩きをぶんぶん振り回してる嫁がいた。
ていうか、攻撃が鈍くて、ぜんぜんハエが逃げてるし。
ていうか、頭にハエくっついてますよ?

パパが大変なのぜんぜん関係ないんだもの。
ぐわ、力が抜ける~。


・・あれ、味が戻ってる。



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飲食業、ほとんど無経験の嫁は、
技術的に優れているものはないし、コーヒーも淹れられないし。
うっかり、多いし。

彼女、あんまり頑張らない。

でも、肩の力が抜けるような、その空気感は、
僕には作れない、オハナ独特の雰囲気を生み出しちゃう。
不思議な実力がある。

なんでかなとずっと思ってたの。



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僕は、どっちかというと完璧主義者なので、出来ないと云うことが嫌。
出来ないのに、頑張らないのも嫌だし。

嫁のそういうところが理解出来なかったし、
いつもなんか、僕の廻りだけ、ギスギスしてた。


でもね。

どこかの国のお坊さんに、
9合目まで山に登って、降りてくるという修行があるの。

達成させないで、引き返す。

きっとそれは、「登れなかった1割を諦める」ための修行ではなく、
「自分の歩いてきた9割を大切にする」修行なのだと思うの。


100%完璧であろうとすると、出来ない部分ばかり見てしまう。
「出来ない自分」を責め、そういう人は、人の「出来ない」をさらに責める。

責めて、責めて、いつまでも満たされることなんてない。
『完璧』なんて、ないもの。


彼女は、ひとの良いところが、ちゃんと見えるひと。
もっともっとと、頑張らないのは、
今あるもののなかから、しあわせを作れるから。



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で、取材で作った料理。
めちゃ美味いですよ。
筋肉もりもりの全力投球ですから。

でも、やばいな。
全力で球、投げすぎた。
これ山梨中に、オンエアされちゃったし。


ん。
ふと振り返ると、撮影の残りごはんをじっと見つめる嫁。


嫁「パパ、頑張ったから、お腹減った」

はいはい。
ごはん用意しますよ。



bluetailhappiness at 00:49│Comments(15)TrackBack(0)clip!Kitchen Ohana 

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この記事へのコメント

1. Posted by みっこ   July 06, 2013 07:54
こふく亭思い出すときは必ず、お嫁さんの笑顔が浮かんできます。ほっと心が和む素敵な笑顔が。

パパさんのお料理ももちろん美味しいのだけれど、お嫁さんの笑顔で120%になってますね、きっと。

オハナも伺いたいなあ♪

と言いながら、今年の夏は南会津のこれまた素敵なご夫婦のところに一人旅です^^
2. Posted by たま師匠   July 06, 2013 08:40
>9合目で戻ってくる

ふっ…甘いなぁ。

嫁はきっと登らずに遠くから眺めています。

世界文化遺産を汚さぬように。
3. Posted by ひよ   July 06, 2013 19:05
わ・・・。嫁さま。
お元気になられたんやなぁ・・♪と、
うれしくなりました。
今日の文章。
ほんわかきぶんになりました。
わたし、暑さにやられて、あしたのことの仕込みに、
ぜんっぜん力が入らなかったのですが、
これ読んで、
やっと、力入れれそう・・♪
ありがとうございます~。

4. Posted by papa   July 06, 2013 23:45
みっこさん、こんばんは。
嫁さんて、ただいるだけで、良いんですよね。

うまく行くときも、行かないときも、
ジタバタしてもしょうがないから。
肩の力抜いて、その日その日、出来ることを積み重ねていきたいと思います。
5. Posted by papa   July 06, 2013 23:46
こんばんは、師匠。
世界遺産、中途半端にそんなんなっちゃったから、
富士山、大変みたいですね。

ブームって、ほんと恐いし、意味ないなぁと思うんですよ。

ええ、おっしゃるとおり、たぶん彼女は見てるだけ。
6. Posted by papa   July 06, 2013 23:50
こんばんは、ひよさん。
料理教室、ごはん美味しそう。

嫁は、もう元気で。
僕より元気なくらい。

それが何より有り難いと思えるのも、あの頃があったから、
そう思います。
明日も良い一日で在りますように。
7. Posted by 。   July 07, 2013 00:46
まぁ、ガウディみたい

建築とお料理の違いはありますけど…
同じ匂いがします。

相変わらず素敵な一皿で、
とても美味しそうですことね。


富士山ですか…

♪富士の高嶺に降る雪も~
京都先斗町に降る雪も
雪に変わりがあるじゃなし~
解けて流れりゃ皆同じ~♪

…というわけで、
おばばも、麓から眺めてることにします。
8. Posted by papa   July 07, 2013 01:28
麓の人口が増えますね^^。

プレートは、やり過ぎました。
これ見てくるお客さんの、期待度の高いこと、高いこと。

自分から、ハードルの高さ、最上段、
って云う感じです(TT)。
9. Posted by Levi   July 08, 2013 21:50
こんばんわ

新しい職場で出来ない自分と出会って凹みまくるし、無力感もたっぷりだけど、これはかなり良体験で、おっしゃるように完璧主義だからダメだったわけで、開き直ることが成功の鍵でした。
やっぱりいい加減=良い加減が一番なのですよね。

夫婦って割れ鍋に綴じ蓋と言うようによくできていますよね。

10. Posted by タンボ・ロッジの料理長   July 09, 2013 20:44
おおっ!!、すぐに悟りましたね。さすが!!!
あとはそれをいかに実践するかです。
くれぐれも、寝込んだりしないようにね。
11. Posted by papa   July 09, 2013 23:31
いつもありがとうございます、Leviさん。

>割れ鍋に綴じ蓋

綴じ蓋は、直した蓋という意味なんですね。
この慣用句の意味が、しっくり来ました。なるほど。

夫婦はバランス。二人三脚。
ほんと、良くできたタッグ思います。
12. Posted by papa   July 09, 2013 23:37
料理長のお話のおかげです。
勉強させて頂きました。

でも、あれ。
あんまり僕の行動パターンが、かわってないというか。
すいません^^;。

自分に降ること。
起こることは、すべて必然なのだと。
今は、分かります。

ぜんぶが、起こるべくして、起こることなんだけど、
意味なく終わるものもあります。

それがどういう意味を持つかは、
それを受け止めた私たちが何を選び、どうするかによって、
作られるのかもしれませんね。

ちゃんと自分のやりたいことを見定めて。
頑張らず、頑張ります。
13. Posted by タンボ・ロッジの料理長   July 17, 2013 22:01
「頑張らず、頑張ります。」
この表現、面白いです。
そんなに急には変えることはできませんよ。
飛び出すな、車は急に止まれない・・・と言うではありませんか!!。
車じゃないけど、
でも少しずつならば意識していけると思います。
14. Posted by タンボ・ロッジの料理長   July 17, 2013 22:07
そうそう、ひとつ面白い「修行」があります。
この話はブラジルの作家「パウロ・コエーリョ」がスペインの巡礼路を歩いた時の小説「星の巡礼」に出てくる話なんですが、
まず自分の感情がエゴに支配された時や、かっとなって怒りたくなった時に、自分の人差し指の爪を親指の爪の生え際の一番痛く感じるところに着きたてて、その痛みを味わうのだそうです。
そのエゴから来る感情が収まるまでそれを続けます。
これは効果ありますよ。
おかげで私の親指の爪の生え際は、真っ赤になってしまいましたが・・・・
15. Posted by papa   July 18, 2013 22:43
ははは。
僕の体の成分、40%くらいエゴで出来てる感じなんですけど。

「怒る」って、「こういうときは怒るべき」みたいなのが、今まで活きてきた中で、自分に刷り込まれていて、反応して怒っているだけ。
怒るのが格好良いとか、正しいとか、必要だとか。

本来、怒りの感情で解決しなければならない問題など、皆無なんですけど。

それに気がつくまで、ずいぶんかかりましたし、
完全に手放すまで、もう少しかかりそうです。

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