February 23, 2018

下座の行

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冬の間。
店を閉めて、八ヶ岳を離れました。
遠い雪国に来て、料理ではない仕事をしました。

新しい仕事では、いちばん下です。
仕事を教えて貰う立場。

聞いても教えて貰えなかったり、
理不尽だったり、
アラばかり探されたり、
挨拶しても無視されたり、
犬みたいに手で指示されることも。

働く立場が弱くて、
言い返すことが出来ず。
半分以上の時間、
ずっと我慢ばかりしていました。

20年近く、ずっとサービスをやってきたんだという、プライドみたいなものと。
ベジタリアンの料理を作らせて貰えれば、誰にだって負けないという自信みたいなものと。
見事なくらい、そんなものゼロになった。

こんなこと無意味だと思った。
何をしに、雪国まで来たのか。


そんなとき、たまたま開いた本の、
たまたま開いたページに、
こんな言葉がありました。

「下座の行」




人より一段と低い位置に身を置き、
坦々と、それを成し続ける修行のこと。

雪国でこうして働くことの意味。
それは、理解することにあったと思う。

ここに来て、自分の受ける仕打ちは、
今まで自分がやってきたことだと。

とても傲慢だった。

自分に自信がないのを隠すために、
いつも自分の実力以上にギアを回し、
人より強く物事を主張した。

自分より能力の低い人間を探し、
ジャッジして、正すことで、
自分を作り続けた。

思い出して、その傲慢さにびっくりするくらい、
酷いことをしてきた。

立場を入れ替えて、
下に立つから、見えた。

理解する(under stand)とは良く云ったもので。

これが「行」だと考えるなら、
出演する人たちみんなが、
みんな僕にお付き合いしていただけ。

つまるところ、
感謝以外に何もないのだ。
他にどんな感情もなくなる。

三毒という言葉がある。

人の悩みや苦しみは、
人間関係、お金、病気の「三毒」からくるという。

でも、三毒は人を苦しめるためにあるのではなく、
それは『浄化』のためだという人もいる。

人間関係で散々、手こずってた僕は、
どの辺が浄化だよ!って思ってたけど。

三毒が浮き彫りにしていたのは、
そんな傲慢さや、自分に対する不誠実さ。
感謝を忘れた生き方だったと思う。

三毒は、突き詰めて考えれば、
いずれも「感謝」という答に辿りつく問いだ。

自然界で必要のないものは消えるものだから、
心から感謝出来れば、三毒は消える。

つまり、ただ感謝することが、
三毒の「浄化スイッチ」。

僕みたいに不平不満をぶーぶー云って、
苦しいのを人のせいにしてれば、
スイッチも入らなかった訳で。

ありがとうの言葉は知っている。
感謝の気持ちが大切だということも、
理解しているけれど。

それを本当の意味で、
自分の中に落とすために。

下座の行はある。

人の下に立ち、
人の嫌がることを率先して行い、
不平不満を語らない。

あと、1週間で、
この仕事も終わります。

残りの任期をしっかり勤め上げて、
胸を張って、山梨に帰りたいと思います。

bluetailhappiness at 13:28│Comments(3)clip!例えばこんな話 

この記事へのコメント

1. Posted by 師匠?   February 24, 2018 16:10
5 良い気づきを得られたね。
ある分野でそれなりのキャリアがあっても世界が違えばそんなもの何にも評価されないですからね。
2. Posted by Papa   February 24, 2018 22:44
幸運に恵まれたから、感謝するのではなく、
感謝するから、感謝するような幸運を呼ぶ。
逆なんだよって、話していた人がいましたが。

ただ、打算なく、腹の底から感謝するのって、
苦しんだ人しか出来ないんじゃないかと思いました。

苦しいことも、悪いとは限らない。
良し悪しを決めるのは、これからの僕が何をするかだと、思うのです。
3. Posted by Papa   February 25, 2018 10:39
あと。
例え、その人がどんな風に見えようと。

年長者であるなら、それなりに生きてきた時間があって、それは見えないし。
若者であっても、それなりに考え、志すものがあるかもしれない。

そこに、きちんと礼を尽くすことは大事なことだと思いました。
そういうことを、自分、ちゃんとしていなかったんですよね。

今年の課題にしときます。

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