June 18, 2010

ごぼうの養老煮(17時間バージョン)

ごぼうを梅干しと一緒に長時間煮る料理です。
マクロビオティックでは「養老煮」、千坂式食療法では「姿煮」の名前で紹介されています。

タイトル












気の長くなるほど、ぐつぐつ煮込むので、『陽性パワー』の強い料理です。
もっと寒い時期に、書くべきだったな。うん。

今日のレシピは、【ごぼうの養老煮(17時間バージョン)】。


英語で、「Boiled Down Burdock for 17 Hours」。
合ってる?自信ないな。

マクロビオティックの陰陽の分類では、
ごぼうは陽性と習うことが多いのですが、
生の状態のごぼうは『陰性』です。

【陰陽についての解説/guide of macrobiotic】

養老煮は、ごぼうを梅干しと一緒に、長時間煮ていくことで、
強い『陽性』を蓄えます。
冬の寒いとき、冷え性の改善に効果があるみたいですね。

ごぼうが信じられないくらい甘く、柔らかくなるので、
初めて食べる人は、必ずびっくりする料理です。

この養老煮、美味しく作るためには、いくつかのポイントがあるんです。

【材料】

ごぼう(太め)  鍋の大きさと相談
梅干し      ごぼうの重量の10%
水        ごぼうが水に沈むまで 

なんだか、へんなレシピ(↑)ですね。これ。
ごぼうは、太いものを選んで下さい。

ふと










これは、地元特産の白州ごぼう。
特に名人の作ったもの。レア。

うん、太いな。
こんなに太くなくても良いんだけど。
でも、この料理はごぼうのポテンシャル(資質)が思いっきり出るから、
泥付きの美味しいごぼうを選んで下さいね。


【作り方】

1)下準備

ごぼうは、皮を優しく洗うように、泥を落とします。
ごぼうの香りと栄養は、皮にあるの。

どなべ(業務用)










土鍋の大きさに合わせて切り分け、ごぼうを詰めていきます。

ぎっしり満員。

梅干しは、正確に計量して10%の重さ。
やってみると分かるけど、数%違うだけで、全然味が違うの。

水、ヒタヒタね。ごぼうが全部漬かっているくらい。
適当で良いです。


2)17時間、煮ます。

鍋を火にかけて、沸騰させます。
蓋はしません。落としぶたもなし。

沸いたら極弱火にかけて、ここから17時間を計ります。
煮汁が少なくなってきたら、『お湯』を差してあげます。
「水」だと、温度下がっちゃうからね。

どなべ










くつくつ、ことこと。

途中で、火を止めても良いですよ。
冷えても大丈夫。
また沸かして、そこから追加で時間を計れば良いの。

薪ストーブとかあると、素敵ですね。
その上で、お鍋がことこと云ってるの、僕は好きなんです。


3)煮詰める。

じっくり煮込んで、ずいぶん赤茶色に染まってきましたね。
のこり2時間は、煮汁が減っても、差し湯をせず、そのまま煮込んでいきます。

につめおおなべ









のこり15~30分くらいで、口の広い鍋に移して、煮汁を煮詰めていきます。
業務用では、大きな鍋を使いますが、ご家庭ではフライパンが良いと思います。

鍋を移さなくても、煮詰めることは出来ますが、
ぎっしり詰め込んだ状態だと、作業しづらいのです。

につめ(業務用)










仕上がりの目安は、煮汁の泡の大きさ。
大きな泡がぶくぶく立つようになったら、煮詰まってきているサインです。

あと、もう少し。
焦げ付きやすいので、たまに鍋を揺すって。
煮詰まってきた煮汁を、良くごぼうに絡めるように、ごろごろ転がします。

しあがり大しあがり









できあがりです。

17時間煮ると、こんな感じの美しい飴色に仕上がります。

養老煮は、40時間煮る人もいるみたい。
もっと真っ黒になります。
『陽性』が強いんですね。

そう。ごぼうの養老煮は強い陽性をもつ食べもの。
体を温めるパワーが強いのです。

甘いものや油脂の取り過ぎで、カラダが冷えたり、ゆるんだりしている『陰性ぎみな人』の体質の改善に良いのですが、動物性や塩気の多い食べ物の過食が原因で凝り固まっている、『陽性ぎみな人』には合わないとも云えます。

いっぱい食べるものでもないし。
何事も。バランスですね。

さらもり










いつも思うんだけど、この「ごぼうの甘さ」ってすごいなと思う。
どっから来るんだろう。

ちなみに、梅干しも旨いのです。

数が少ないから、作った人の特典。
捨てずに、こっそり食べて下さいね。


bluetailhappiness at 05:03│Comments(9)TrackBack(0)clip!

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この記事へのコメント

1. Posted by Levi   June 18, 2010 15:25
こんにちは

マクロビの養老煮って切って煮ますよね。
私が昔、友達に習ったのは切らないで、土鍋の中にとぐろを巻くようにして煮るんです。
こうするとゴボウのエネルギーが逃げないとか。
入れるのは梅干と昆布で、出来上がってからカットするか梅干の実・昆布と一緒にペースト状にして玄米ご飯に乗っけて食べます。
こちらも美味しいですよ。

何故かゴボウが手に入らない私・・・
あ、再来週なら手に入るわ。
養老煮作ってみようかな。
2. Posted by papa   June 18, 2010 15:32
とぐろ、巻きますか。
すごいな。

そういえば、ペースト状にしたものも売ってました。
結構、良いお値段がしますね。
手間を考えると、そういう感じになるかなぁ。
3. Posted by ToyToy   June 20, 2010 02:03
先日、ブログにコメントをいただきましたToyToyと申します。はじめまして。

ごぼうの養老煮、本当に甘くて美味しいですよね。
クッキーみたいだって言ってもなかなか信じてもらえないんです(笑)
味見も止まらない、困った一品です。
4. Posted by papa   June 20, 2010 05:42
おはようございます。toytoyさん。

新しいブログ、内緒にするつもりはなかったのですけど。
僕もね。頂き物は、食材が嬉しい派です。
5. Posted by 。   June 29, 2010 15:08
“養老”の部分に、過敏になる私。
(;^_^A

法慶先生直伝の
らっきょうの塩漬けを
思い出しましたよ。
本当に、お塩だけで漬けるの。
食べ頃は、仕込んでから10年後。
すごく、甘い!

素材の甘みや旨味を引き出すのは、
結局、お塩なんですねぇ。

何といっても、すごいのは、
今食べてる、このらっきょうを、
大ばばさまがお漬けになったのが、
70才の時だったってこと。

こういう人が、長生きするのねぇ。
6. Posted by papa   June 29, 2010 17:44
10年、昔、一度食べさせてもらったことがありました。
違う人のものですが。
有り難くって、味覚えてないな。うん。

お金には換えられない価値ですね。
7. Posted by 檸檬   March 21, 2014 08:29
私も以前 作ったことがあり その時は甘酸っぱく...余り美味しくなかったような?! 体調によってなのかしらね?

太い牛蒡を選ぶのは美味しさに関係するのでしょうか?! 又は別の理由からなのでしょうか?!
8. Posted by papa   March 22, 2014 22:34
コメントありがとうございます、檸檬さん。

梅干しのパーセンテージは、絶対です。
入れすぎると、必ず酸っぱくなります。
あと、ごぼうのポテンシャルが大きく出ます。
美味しいごぼうが良いのですが、なかなか探すのが大変です^^。
煮方は、ほとんど影響がないです。

太いごぼうを選ぶ理由ですが。
僕は養老煮を出す時に、わざと説明しません。

みなさん、ごぼうが「固いもので在る」という先入観を、必ずお持ちです。

それが、口の中ですうっととろけるような柔らかさ。
甘酸っぱい、滋味あふれる味。

太いごぼうであるほど、その驚きが大きいのです。
9. Posted by 檸檬   March 23, 2014 14:02
お返事 ありがとうございます。

なるほど!!
理解出来ました。

今回は紫蘇漬けの梅干で作って 何かにも加工しようかなと考えています。

玄米炊飯も大変参考にさせて頂いてます。これからも宜しくお願い致します。

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