ＢＬＵＥＴＡＩＬ　ＨＡＰＰＩＮＥＳＳ

いけね。
観光に来たんじゃなかった。


話のはじまりは、図書館で借りた精進料理の本。



『ＳＨＯＪＩＮ』

ズバッと直球なネーミング。
こういうの好きだな。

渋谷神宮で『月心居』というお店を構えていらっしゃった棚橋氏の著書。
彼が、今まで作り続けた精進料理の技と、その可能性について書いた本です。




棚橋俊夫氏。
ラストサムライみたいな方ですね＾＾。

ビーガン（肉も魚も使わない）の料理って、欧米では当たり前だけど、
日本ではいまだに正しいとか、正しくないとかで、
市民権が得られないようなとこがあります。

その『精進料理』というジャンルで、東京のど真ん中で店を構え、
連日、満席だった月心居。
それは、すごいことだと思うの。




その味を見てみたい。

美味しいものを作るには、美味しい味を知る必要があります。

でも『月心居』、もうずいぶん前に閉店しちゃってるのね。
今は、『ZECOOW 是食（ぜくう）キュリナリーインスティテュート』を主宰して、精進料理の技と精神性を伝える活動をしていらっしゃるとか。

うーん、問い合わせ。
「イギリスからシェフが研修に来るから、その期間なら会えます」とのこと。

「会いたいと思って、会えない人はいない」は、僕の先生の言葉です。
先生は、マザーテレサに会いに行ったんですね。
京都は、インドより近い。

で、行ってきました。
京都。




京都造形芸術大学。
先進的なカリキュラムで、有名な大学ですね。

京都駅から、歩いて２時間ほどのところにあります。
ええ、歩きましたとも。




大学で精進料理を教える施設、『瓜生庵（うりゅうあん）』。
静かで綺麗なところです。

厨房も、Ohanaの４倍くらいあるし。




利尻昆布を使った出汁（だし）。
野菜によって、いくつかの昆布の使い方を変えます。

「淀みない」という味です。

物足りなくは、無いの。
澄みきって、その中にすっと芯のある味。




胡麻のすり方も、教えて頂きました。
胡麻のすり方って、『構え』があるんですね。

基本、正座。
背筋を伸ばし、あごを引き、目は半眼、丹田に力を込めて。
座禅のような整身法です。




シンプルな膳ですが、美味しく頂きました。
久々の羽釜のごはんです。

学生さんたちやイギリスのシェフと一緒に、料理のことをいろいろ話しました。
英語で。

英語使ってなかったから、汗かきましたけど、
久しぶりに、楽しい時間を過ごしました。
さて、嫁も心配だし、もう帰らないと。


最近、店作りばっかりで、料理のこと考えてなかったけど、
今は、新しいアイデアと「作りたい」気持ちでいっぱい。

忙しい中、お時間を作って下さり、
自分の持っている技を惜しみなく伝えて下さる棚橋氏には、
こころから感謝しています。

ありがとうございました。